Peace Ex Piece

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鳩とオリーブの葉、付け加えるとするなら人間か 第24話 平和とはなんだ? と問いかけるこの物語

 

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本作品の内容はフィクションです。
登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。

また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。

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第24話  平和とはなんだ? と問いかけるこの物語

 

 ここは、ジェット機の機内。目をつぶって考える。今まで起こったこととこれから起こることについて。

 光一「ただの保母さんだったのになぁ~」

 独り言に付き合ってくれる人は、もう……いない。

 光一「いや……最初っからただの保母さんじゃなかったけど……親もいないし……変な能力だってある」

 でも。

 光一「保母さんでいたかった。園児達に囲まれてさ咲希もいて園長先生がいてさ。たまに博士の元に顔だしにいく。それでよかったんだけどな」

 ゲイシーと戦ってから変わってしまった。

 光一「助けようと思ったことが間違いだなんて思いたくない」

 力に頼るようになった。あったら使いたくなるもんなのかな……。趣味として使ってたし。

 光一「どうしてそんな趣味として使ってたかって聞かれたら俺は、俺にしかない力で俺にしか出来ないことがあるかもしれないから使ってたって答えるんだろうな」

 特別になりたかった? いやどうなんだ。普通でよかったんじゃねぇのかよ。俺さんよ。

 光一「……。ユウトには最初、物凄く腹が立ったっけ」

 あの時、もうすでに俺は、咲希のことが好きだったんだな。好きな女の子の目の前であんなことされたら誰だって腹が立つ……っと思う。

 光一「大衆心理なんてわかんないけどな……。ユウトはカッコいい男に憧れてたんだっけ。珍しいやつだなって思った。かなり意味を履き違えてたみたいだけど。俺のこと先輩って呼ぶようになって仲良くなって。いいやつだなって思った。全然悪いやつなんかじゃなかった」

 一つのことに一生懸命な姿は、かっこよく映るもんだぜ。悪いやつと言えば。

 光一「ジャック……。永遠の争いが人を強くし、永遠の平和が人を弱くするなんて本当に思ってたのかな。怖いやつだと思ったけど信念ってのがあった。きっと悪いやつじゃない」

 ジャックの言葉は鋭く俺の心に突き刺さった。本心で言った言葉の数々なのだろう。

 光一「でもジャック。戦いは良くないよ。戦争を正当化するもんじゃない。だって平和だったら子供が親を埋蔵する。戦時だったら親が子供を埋蔵するんだ」

 いいわけないじゃないか。

 光一「戦争を語るには身分相応じゃないけど良い戦争も悪い平和もあったためしがないんじゃないか。あっても俺は最も正しい戦争よりも、最も不正な平和のほうが好きだよ。まぁこの例えは嫌いだけどさ」

 ガラハッドとも戦った。

 光一「今度会ったら騎士道について聞きたいな。話し合いの余地なんかなかったけどガラハッドはきっと俺を試していたんだよな」

 学んだことは。

 光一「それが正当な怒りであっても、怒りは何も生まないばかりか、自分から生命力や情熱や精神的平和を奪ってしまう。ご都合主義的な展開だけど兄貴が出てこなかったら間違いなくやられてたな。手加減するとも思えないし」

 剣技でも心意気でも負けてた。

 光一「二人とも強かったしカッコよかった。何よりも外国人っぽい名前だ」

 昔っから外国には憧れを持っていた。

 光一「この国の平和も、他国がまた平和でなければ保証されないんだ。この狭い相互に結合した世界では、戦争も自由も平和も全て連帯してる。だから自分の国だけ好きじゃダメなんだ。愛国者ってのは、自分のいる国が他の国よりもいいって勘違いしてる人達のことだろ?  メリットとデメリットを考えなきゃダメだ」

 多角的な見方をしなくちゃいけない。

 光一「俺の好きな国は、自由の国だね。平和と自由を別にすることはできない。なぜなら、自由でなければ誰も平和でありえないからね。俺のいる国は、和の国だ。戦争をしないと誓った自衛の国だ。でも殲滅兵器に幾度となく怯えた過去を持っている。一度はその殲滅兵器を落とされたことがあるらしい」

 調べたことだから知ったかぶりなんだけどな。それでも自分のいる国には興味がある。

 誰に語りかけているわけでもないのに独り言を続ける。

 光一「爆心地より約半径500メ-トルの致死率は99.7%の威力だったらしい。そこから調べるのをやめた。唐突に吐き気がやってきたからね。そんな兵器が長期に渡って開発されてきたんだ。この世界では……」

 嫌な話だ。

 光一「その兵器を保有している国はたくさんあった。最大級の兵器を保有してたのが自由の国だ。皮肉すぎだろ。笑えてくるね」

 なんでこの話をしてるんだっけ?

 光一「その兵器の存在を消し去った元凶の元に向かってんだからね。俺さん」

 さっきから震えが止まらない。奥歯がガチガチと音をならしている。

 光一「喋ってないと狂ってしまいそうなんだよ。兄貴」

 たったの一個人の若者が歯向かってはいけないこともわかっている。

 光一「逃げ出してさ。帰りたくなっちゃうんだよ」

 臆病風が吹いている。ダメだ。気合いで負けたら勝てるものも勝てない。けれど冷静になればなるほど無理ゲーなのがわかる。

 光一「なんで俺なんだよ。不幸にも程があるだろうが。俺だって幸せになりたいよ。好きな人と結婚してさ。子供産んでもらって二人で育ててさ。愛を育んでその愛を子供に教えてあげるんだよ。毎日が笑顔の連続で……」

 プルルルルルルルルルル。

 着信だ。

 光一「美姫? 」

 こんな時に……。平然を装わなくちゃな。嘘八百を並べ立てるか。

 光一『もしもし』

 美姫『どこにいるの!? 起きたらベンチに寝てるし……わけがわからないよ』

 光一『あーごめん。急用が入ったんだよ。美姫は……いきなり気絶しちゃってさ』

 うへー。ちゃんと後始末くらいしてよ園長先生。まぁ起きるまではガラハッドあたりが美姫を見守ってくれてたんだと思うけどさ。

美姫『無責任だよ! 』

 光一『返す言葉もございません』

美姫『日常生活で気絶なんてありえないよ? 何が起こってるの? どこにいるの?』

 光一『美姫は俺が力持ちなの知ってるでしょ? 遊園地の事件みたいなことが起こりそうなんだ。誰かが止めなくちゃならない』

美姫『……。誰かが……でしょ? 行かないでよ。誰かに任せておけばいいじゃない』

 光一『例えが悪かったね。俺じゃないと止められない。だから行くんだよ』

美姫『行ってこうくんがケガしたらどうするの! 帰ってこなかったらどうするの!』

 光一『ケガしたら美姫が手当てしてよ。帰ってくるから大丈夫』

 そんな保障はどこにもない。

美姫『絶対帰って来てね。もう大切な人がいなくなるなんて耐えられない』

 赤髪さんのことか……。

 光一『わかったよ。てか心配しすぎだから』

美姫『もう泣きの演技が上手くなったなんて言われなくないの』

 光一『女の子を泣かすのはカッコ悪いからね。そんなことにはさせないよ。そろそろ目的地に着く。切るよ』

美姫『待って!』

 プツっ。通話を切った。

 

 光一「もう二度と泣かせるかよ」

 

 とんだ役者だね。

 

平和とはなんだ? と問いかけるこの物語2

 

 離れの孤島に着いた。施設への道のりは目立った攻撃を無くして到着した。

 そこからも順調。次々と壁を大剣で破壊し先に進んでいく。

 気になったのは壁に書かれたマーク。あれは殲滅兵器のマークじゃないか。ってことはこの壁すべてシェルター並みの防御力を誇るのかよ。殲滅兵器ですら防ぐであろうシェルター。その防御を破壊しながら進む。

 光一「俺も大した化け物だけど博士の剣も大概じゃねぇか」

 最新技術恐るべし。これで合金で車作ったらシェルター突っ切れるんじゃね? 

 光一「帰ったらお願いしてみようかな」

 なんか兄貴が好きそうだなって思った。

 光一「てかもう統合されてるからそう思ったらそうなのか」

 不思議な感覚だ。なんでも出来そうな気がする。

 

平和とはなんだ? と問いかけるこの物語3

 

 「待っていたのよ」

 壁をぶち壊して進んだ先に男女二人がいた。

 光一「終わりにしよう」

 二人を見たとき直感した。

 「息子がここまで成長するなんて親冥利に尽きるわね」

 女が口を開く。男は閉じたままだ。

 光一「お父さん……お母さん……何がしたいんだよ」

 そしてなんで二人とも俺に似てるんだよ。

 「ねぇ光一は平和について考えたことあるかしら」

 光一「急になんだよ」

 「この世界はおかしいと思わない? 少しでもおかしいと思ったのなら変える権利があるわ。だけどおかしいのは結局人間なのよ。光一は、豚や牛の命乞いに耳を貸した事ある?」

  俺は、食べただけだ。

 「人間って欲深いって思わない? 何も与えもしないくせに欲しがる人が大半。罪深いって思わない? 正義を崇拝し他人を恨んでも自分を恨まないのよ?」

 俺も幾度となく思ったことだ。

 「中絶は知ってるわね? 命をさえも知らない存在の命を奪いどうして生きていられるの? どうしてそれが許されるの? 人権がないから? ふざけてると思わない?」

 それも思った。

 「動物愛護? 笑わせてくれると思わない? 肉をむさぼり食うのは人間よ? 地球温暖化? 星を救う? 火を主に扱うのは人間じゃないかしら」

 矛盾の存在が人間だ。正義なんてどこにもありはしないのかもしれない。てかもう正義も悪もわからない。

 光一「正論だ。でも普通に生きてく上でそんなこと考えなくちゃダメか? 人間を善悪で区分けするなど愚かなことだと思う。人間は魅力的か退屈かのどちらかでいい」

 「賢いわね。でも誰かが考えなくちゃ人類は進歩しないわ。無理矢理にでも進まないと矛盾を抱えた人類は、人類による戦争で絶滅するわ」

 くそっ! 今まで人類が絶滅しなかったのは運が良かったなんて言い方だ。でもわかってしまう。殲滅兵器所持国同士が戦争したら星が持たないだろう。

 「だから私たちは殲滅兵器を消したのよ。地球外生命体のワープシステムを使ってね。そして星の莫大な電力で開発した人類進化システム。後者は光一も使用してるわよ? 最小サイズのAI(人工知能)があなたをサポートしてるのよ。使えば使うほどあなたの力は、進化していくわ。けどそのAIは人口知能とは名ばかりの人口無能なのだけれどね。演算処理が得意で人を知れば知るほど強くなる。その代わりに心が宿ることはないわ。ただのナノマシンよ。そこに殲滅兵器のエネルギーが注がれているわ。戦争の兵器の開発ばかりに目を向けていたら人類は進歩しないのよ」

 俺の力は魔法ではなく科学。卓越した科学は魔法と区別がつかない。プログラマーの最上位がウィザード(魔法使い)と称される由縁だ。

 「AIは使い勝手が良いのだけれどね。全世界の電波ジャックにも使ってみたのだけれどそんじょそこらのハッカーくらいなら封殺出来るわね」

 博士も解除出来なかった……。

 「ただAIには善悪がないのよ。正解を導くのは1秒もかからないのだけれどね。ただ人間はAIと世界とって必要ないわ。それは世界を滅ぼす可能性が圧倒的に高い生物は人間だからよ」

 だろうね。

 「AIの導く正解はどの分野においても的確よ。あー違ったわ。哲学、心理学など使いこなせない分野はまだまだあるわね。私が理解してあげないからかしら。ただ兵器としては、殲滅兵器に勝るものがあるわね。ハッカーのアシストとして使うなら驚異よ。パスワード、ファイヤーウォールは幾重にも防壁を重ねてウイルスまたはハッキングを防ぐじゃない? 例えばパスワードは0.000000001秒ごとに変わるとかかしら? こんなものは演算処理が大好きなスーパーコンピューターなら一瞬で解除出来るわ。まぁたくさんあるのだけれどそのハッキングの全てを学習したAIが世界に牙を向いたら電子機器は間違いなく復旧不可能になるわ。ロボットを何機も扱えるのよ? 電波ジャックの余地が介在しない端末は壊してしまえばいい」

 もう時代はそこまで来てるのか……。

 「与太話が長くなってしまったわね。だから私たちは人間を強化しようと思ったのよ。わかってくれるかしら? ただ人間は人間の手で平和を掴み取らないといけないのよ。あなた? 私の息子への演説どうかしら?」

 隣の男に女が話しかけた。

 「話が長いよ。光一がこんなに大きくなった祝いにしては……な。中弛みは良くない。光一がこの話に興味なかったらどうする?」

 女は、目を伏せて話を聞いていた。口を開く。

 「そうね。なら光一が興味ある話をしようかしら。何が聞きたい?」

 決まってる。

 光一「どうして俺を捨てた」

 以前より決めていたことだ。会えたら話を聞いて一発ぶん殴って……仲直りする……。

 「あーそんなことね。資格がないからよ」

 そんなこと……だと!

 「私たちは親であったらダメなの。気づかない?」

 何をだよ……。もしかして……いや。あり得ない。

 「似ていない? 私たち」

 まさか……。そんなことが。

 光一「あり得るわけが……」

 どうして兄貴と俺が生まれながらにして不自由だったのか。

 「私は隣にいるあなたのお父さんの妹だから似ているのよ」

 光一「インセスト……」

 親族関係にある者による行為をインセストと呼ぶ。人類の多くの文化で禁忌扱いされるが、この現象のことをインセスト・タブーと呼ぶ。

 「産まれる子供は血が濃くてね。多くの場合、アルビノが発症する。光一のお兄ちゃんのそれに当たるわ。長くは、生きられなかった」

 アルビノとは、先天性白皮症(せんてんせいはくひしょう)、先天性色素欠乏症、白子症などの呼称がある。多くの国で差別される。主な症状はほとんどの場合、視覚的な障害を伴い、日光(特に紫外線)による皮膚の損傷や皮膚がんのリスクが非常に高い。体が白くなるから白子症。ふざけるなよ……。がんのリスクに、よって長くは生きれない可能性が高いのに差別される。俺の許せない差別問題の一つだ。

 「光一はね。心臓だけが弱かった。だからお兄ちゃんがドナーになったのよ。お兄ちゃんは、黒色が好きだったわね」

 兄貴が黒に固執してたのはそんな理由があったのかよ。

 「光一は、健康体だわ。それとね捨てた理由は、もう一つあるの。能力を成長させて欲しかったのよ。捨てた親に復讐するためにね。でもそうはならなかった。お父さんが拾って育ててしまったのよ」

 光一「お父さん……?」

 「光一にとってはおじいちゃんね。仲良くしてたじゃない」

 光一「博士がおじいちゃん……」

 思えばおじいちゃんっぽいことたくさん言ってたな。

 『パパなどと呼ばせて! こんな大人に育つなんて誰が想像すると言うんじゃ! じいちゃんは悲しいぞい……』

 少しひねくれ物に育ってしまったけど博士は最高のじいちゃんだよ。

 「何も聞いていないのね。お父さんは気づいているでしょうね。血液検査ですぐわかるもの。お父さんなら各所の手続き改ざんくらい当たり前のようにやるわ」

 ずっと親の手がかりがそばにあったのかよ。

 「やっとわかったかしら。光一がKeyなのよ。平和への扉を開けるためのね。だから手を貸しなさい」

 どうやら……。

 光一「仲直りは出来そうにないな。そして一発じゃ済まなそうだ。殲滅兵器に代わる兵器が目の前にあるなら俺がぶっ壊す」

 そのために来た。悪に加担しに来たわけじゃない。

 「そういうと思ったわ。光一の考えは手に取るようにわかるわよ」

 光一「もう話すことはない。あんたらはただの悪人だよ!」

 インセストは法律で縛られていないが結婚は、出来ない。

 光一「子供の事を考えもしないでインセストした時点でそれは間違いだ! 結果的に兄貴は、いなくなった! 俺は兄貴のおかげでここにいる! だから……成すべきことを成す」

 大剣を構える。巨悪を断つために。

 「わかりあえるなんて思っていないわ。欲しいのは育った力のみ」

 光一「それが親が子供に言うセリフかよっ!」

 

 「あなた……いいわよね」

 「ああ……。止められるなんて思っていないさ。実の息子だろうと」

 

 音を立てて大剣が俺の手から落ちる。

 体が重い。

 光一「どういうことだよ。能力が発動しない!?」

 「人の上に立つ人はね。良くお前の考えは読めるなんて言うけどね。それは予測してるんじゃなくて思考を指定してるだけなのよ。まぁ今回の場合は最初から勝ちが決まってるんだけどね。能力を開発したのは私たちよ? 解除くらい出来るわ」

 マジかよ……。これじゃ……。

 女が懐から銃らしきものを取り出した。銃口を俺に向け引き金を引いた。

 カチッ。パァン。

 光一「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 太ももが焼けるように痛い。

 「うるさいわね。あなた、外しちゃったわ。お願い出来るかしら?」

 「あぁ。これも平和のためだ」

 何が平和のためだよ。

 痛みで視界が霞む。

 これは万事休す……か。助けは確実にこない。俺の強運もここまでかよ。今まではご都合的な展開が助けてくれたけど。

 

 カチッ。 

 

 やけに静かだな。

 死に際ってことか。

 人間ってのは、落ちるなどの臨死体験によって脳が覚醒する。研ぎ澄まされる。

 外国の技で発勁ってものがある。落ちる動作を高速でしゃがむことによって補い臨死体験中に一撃見舞うものだ。火事場の馬鹿力をいつでも使えるが相当な鍛練が必要である。

 そしてリミッター解除中は、走馬灯が見えるというがあれは、人間は産まれてから今まで全ての記憶を保有している。その忘れてた記憶が舞い戻ってきているだけだ。

 目を瞑ると俺にも見えるよ。

 たった一人の女の子が……。

 最後に俺も恋愛脳だなぁ~って思う。

 一途ってさ……良いことだと思わないかな。

 複雑だね。やっぱ恋愛は、俺には向いてないな。

 

 パァン。

 

  世界は、変わった。全世界に光の洗礼は降り注いだ。武器を触ったことがあるものは、能力は発動しない。ただ人間がより効率的に動けるので技術は進歩するだろう。

 ただ能力は新たなる武器になる。

 平和とはなんだ? と問いかけるこの物語は、新たなるステージに移行する。

 ピースの正体は?

 悠愛は、どこに?

 etc.

 謎を多く残したまま……。

 

 著者:Peach

 

平和とはなんだ? と問いかけるこの物語EX

 

 

 あの人がいない。

「どこにいるの……こうちゃん」

 保育園に行ってもいない。

 「園児達が心配してるよ……私に会いたくなくても園児に会いにきてよ……」

 子供が大好きなあの人がこない。

 「好きだよ……。こうちゃん……」

 

 

 遊園地にきた。

 「帰ってくるっていったじゃない!いなくならないっていったじゃない! こうくん……」

 遊園地って笑顔で来る場所だよね。

 「約束を破るなんてカッコ悪いよ……。こんなんじゃ仕事に支障がでちゃうって……」

 貰ったマフラーを握りしめた。

 「このマフラー。誰と一緒に巻けばいいの……? こうくん以外は考えられないんだよ。好き……」

 

 

 あの人の家に来た。もちろん灯りはついていない。

 「家にもいないってどう考えてもおかしいよ……」

 そんなに私のことが嫌いなの?

 「私のいないところに行きたかったのかな……。ごめんなさい……」

 

 

 専門学校にきた。ピアノが置いてある。

 「こんなことになるなんて誰が想像したの? 喋ってくれなくなって……毎日、涙こらえて……」

 あんなに私に幸せをくれた人がいない。

 「あの日以来、笑顔見せてくれなかったね。こうちゃんがいない世界なんて嫌だよ……」

 

 

 戦闘後で閉鎖中の遊園地にきた。

 「あの時はかっこよかったな。こうくんが助けてくれなかったら今の私はいないんだよね……? 恩なんて返しきれない……」

 あの時はビックリした。

 「助けてくれたのがこうくんで良かった……。会えてよかった……。それなのにいなくならないでよ……」

 

 

 イルミネーションツリーの前にきた。もう雪が積もっている。

 「綺麗だね……」

 雪がちらちら降っている。その雪が私に降り積もる。

 「何時間たったかな? わかんない」

 ここにはくるはずがないのに。

 知らずにあの人の独り言がうつっている。 

 「カップルって似るらしいよ。カップルになれなかったけど……」

 ここはあの人が私に思いを伝えてくれた場所。

 「私がこんなに泣き虫だっただなんて初めて知ったよ」

 雪が降り積もる。

 「寒いね。きっと罰なんだね……」

 他人から見れば男をもてあそんだ悪女に違いないよね。

 「寒い……。ねぇこういう時、ドラマだったら想い人が現れて暖めてくれるんじゃないの?」

 現実はそう甘くない。

 「知ってたよ。現実が甘くないなんてわかりきってること……」

 もうどうしたらいいのかわからない。

 

 

 「こうちゃん……」

 

 

 「こうくん……」

 

 

 「もうどっちで呼べばいいかわからないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 

 

 See the next chapter. 

 

 

鳩とオリーブの葉、付け加えるとするなら人間か 第23話  優しさこそ、本当の強さだ

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本作品の内容はフィクションです。
登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。

また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。

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第23話 優しさこそ、本当の強さだ

 

  現れたのは国王と呼ばれた園長先生。

 光一「説明していただけますか?」

 国王「全て話そう。私たちの知っていることを」

 そして園長先生は語りだした。

 国王「私たちは、この星の者ではない」

 あの魔法といい分身といいただ者ではないと思ったが。まさかの異星人かよ。

 光一「それはおかしい。何億光年先でも生命は確認されてないはずだ」

 国王「そのまた先に私たちはいるのだよ。しかし私たちの星はそう長く持たない。私達の力が強すぎるのだ」

 自らが星を壊す。俺の力もそうだ。これ以上強くなったら星が持たない。

 国王「そこで私たちはあるプロジェクトを立案した。光速を越えるワーププロジェクトだ。異空間転移だよ」

 マジかよ。ご都合にもほどがあるだろ。

 国王「私たちが四代元素を扱えるのは先の戦うで承知の通りだと思う。それらを駆使しワーププロジェクトを完成させたのだよ」

 頭が追い付かん。

 国王「そして選ばれた三人。私、ガラハッド、ゲイシーがこの星にワープした。この星の技術力と私たちの技術力を合わせれば星を救えると思ってな」

 国王と側近って感じか。

 国王「失敗したよ。この星にワープした際にワープ機構を何者かに奪われてしまった。元の星に帰ることすら叶わんよ」

 何者か……ね。

 国王「私たちは手を取り合うためにきたのだ。だから星に順応するために調べ尽くした。調べたのだがわからないことがある。君の存在だよ」

 俺もわからないよ。

 国王「私はゲイシーとガラハッドに頼んで君を調査した。もちろん私も園長となって君に近づいた」

 おかしい。

 光一「一つ質問です。国籍はどうなさいましたか? あなたにはないはずだ」

 国王「背乗りさせてもらったよ」

 警察用語。工作員が他国人の身分・戸籍を乗っ取る行為だ。行方不明者などが急に現れた時は気を付けなければならない。公○のお家芸などと噂もあるくらい事件は多発している。スパイ活動には必須だからだ。

 光一「園長先生達の事情はわかりましたよ。でもゲイシーは人殺しだ」

 国王「彼は元から手の負えない男だった。今でも私の命令は聞いてはくれないよ。しかし彼は私たちの星の中では一番強いのだ」

 あんなのが最強だと? 悪の権化みたいなもんじゃないか。

 国王「ガラハッドですら倒せないのだよ。側近は強いほうがよい。だから私は彼を側近にした。いつ寝首をかかれるかヒヤヒヤしたものだね」

 誰も倒せない悪。残念ながら俺達の国にもいる。警察の軍事力を遥かに越える。マフィアだ。殲滅兵器がない平和な世界で牙を研いでいる頃だろう。

 国王「私の話は以上だ。質問なら受け付けるよ」

 光一「すいません。園長先生の話には正直あまり興味は……」

 国王「正直だね! 光一くんらしいよ!」

 光一「ただ伺いたいことがあります。園長先生達のアバタールは視覚共有は可能ですか?」

 これが可能であれば。

 国王「可能だよ。光の出所を知りたいんだね」

 話が早い。

 光一「はい。そこには能力の秘密があるはずです」

 国王「どうぞ。これが調べた限りのメモリーだよ。光一くんが仕事してる間に整理してたんだ」

 ブログとかやってたわけじゃねぇのかよ。

 光一「それを渡してください。バックアップは取ってあるんでしょう?」

 国王「もちろん」

 メモリーを受けとる。これで終わりに出来る。

 光一「有難うございます。園長先生達はワープ機構奪還に向かわないのですか?」

 それほどの力を有しながら。

 国王「いや私たちはアバタールの使用で消耗してるからね。返り討ちにされてしまう。ワープ機構を盗んだのは十中八九その能力の開発者だが……光一くんより強かった場合負けちゃうよね。それにこれは光一くんの問題な気がしてやまない」

 生まれながらにして能力の保有。兄貴の言葉で確信に変わった。

 光一「結局の話なんですけど。最初っから普通じゃなかったんですよね……。独りは嫌なのに誰かの側にいると傷つけてしまう気がして……」

 それが咲希の後押しによって変わった。

 国王「咲希ちゃんと仲直りしなさいよ」

 光一「事が済んだらします。だから園長先生は園長先生のままでいてください。子供が好きなんですよね。見てればわかります」

 国王「国王なんて柄じゃないんだよ。私はずっとこんな仕事がしたかったんだ」

 やっぱり園長先生は園長先生だった。

 光一「行ってきます」

 これからは帰ってきたら待っててくれる人がいる。無人の家に挨拶をする癖は直りそうにないけど。

 園長「いってらっしゃい。園児達と咲希ちゃんと私が待ってるよ」

 あっ忘れてた。

 光一「ガラハッド。決めセリフを忘れてた。

 Only the gentle are ever really strong.

 外国語だ。訳は、優しさこそ、本当の強さだ」

 なぜか言っておきたかった。強いだけで正義は語りたくなったから。

 帰ったら向日葵畑でも散歩に行きたいな。正義の象徴である向日葵。花言葉は私はあなただけを見つめる。

 光一「ヤバい! ユウトを助けてから博士の元に向かわないと!」

 駆け出す。終わりに向かって。

 

優しさこそ、本当の強さだ2

 

 光一「なん……で……」

 ユウトが血まみれで倒れていた。

 光一「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

 急いでユウトを担ぐ博士の元に急がないと!

 なんで悠愛がいない! ゲイシーにさらわれたってのかよ!

 光一「俺のミスだ……」

 くそ! 俺の帰ってくる場所に悠愛もユウトもいないってのかよ……。ふざけてるだろ……。

 めげそうになる。でももう兄貴の声は聞こえない。叱咤してはくれない。背中を押してはくれない。

 光一「開発者を止める。平和にこの能力は必要ない」

 それは俺の存在を否定する事だ。何か間違ってる。良くない。そんな気がした。

 

優しさこそ、本当の強さだ3

 

 ユウトは医務室に運ばれた。博士にメモリーを渡して事情を説明した。博士も調べようとしてくれてたんだが光が降り注ぐ時間帯は、電子機器が使い物にならなくなっていたのでお手上げだったらしい。家の度重なる停電は能力開発者の電子ハックだったわけだ。

 光一「時間がない。相手は最新のテクノロジーを持ってる」

 博士「場所は離れの孤島じゃ。全国の電子機器をストップさせるなんぞ規格外じゃ……」

 博士もビックリな化け物が相手だ。

 光一「それでも行かなきゃいけない。俺にしか出来ないことだ。犠牲者をこれ以上出せない」

 無理も承知の上だ。

 博士「わかった。手配する。ジェット機で突っ込んで貰うぞ」

 光一「頼むぜ」

 博士「必ず帰ってくるんじゃぞ! あっそれとマスタピースは在庫がないんじゃ……大剣を持っていってくれ」

 マジかよ。万全じゃねぇんかい。だが。

 光一「善は急げだ。俺と兄貴の力なら完封出来るはずだ。大剣が壊れたらそこらたへんの物拾って戦うさ。それと今度は戦いにはならない気がする。相手が攻撃してくるとも思えないからな」

 俺の想像が当たればだ。

 博士「ふむ。じゃがな光一。兄がいないのだ。気絶したら復帰は出来ん。今までは兄がいたから生き延びれたんじゃ。その事を忘れるでない」

 光一「忘れるわけがないだろ」

 ずっと守られてきたんだ。これからは俺がいろんな人を守らないといけない。 

 光一「戦いはこれで最後だ! 博士! 頼むぜ!」

 博士「おじいちゃんに任せておきなさい!」

 

優しさこそ、本当の強さだ4

 

 かくして俺はジェット機で孤島へと向かった。いるのはたぶんあいつらだ。あったら一発はぶん殴らないと気がすまない。でも……会いたい。一般家庭に生まれていたら俺は幸せだったのかな。

 

 光一「なぁ兄貴? 俺達はなんで最初っから重症だったんだ? おかしいよな? その解答が目の前にあるんだ。止まれないよ」

鳩とオリーブの葉、付け加えるとするなら人間か 第22話 マスターピース

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本作品の内容はフィクションです。
登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。

また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。

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第22話 マスターピース

 

 ここはどこだ?

 気づくと真っ白な世界に一人棒立ちしていた。

 いや一人じゃない。目の前にもう一人いる。

 光一「誰だ。お前はここがどこかわかるか?」

 問う。

 「いつも一緒にいるのにわからないのか? それと、この世界はお前の世界だ」

 この声は……。いつも聞こえてきた謎の声じゃないか。見ると俺より少し年上に見える青年が立っていた。髪の色は黒髪……顔は……俺に似ている。

 光一「いや質問に答えきれてないだろ。誰だって聞いてるのに……」

 てか俺の世界って。

 「つれないねぇ~。せっかく顔会わせたってのにさぁ~」

 光一「いやなにその喋り方!?」

 なんか適当なやつだな。

 「いやこれが俺の素の話し方ね? この口調で光一の話してたら絶対移るじゃん? よくねーわな~それじゃ」

 なにこの人。

 光一「あーとりあいず何で俺はここにいるんだ?」

 さっきまでぶちギレだった俺だがこいつの口調のせいで少しは冷静になったかもしれない。

 「殺したいんだろ? あの鎧の男を」

 光一「当たり前だ」

 即答する。

 「ダメだ。殺させない」

 否定された。

 光一「はっ? 何でだ! 美咲がやられてんだぞ! とっとと元の世界に戻せよ!」

 意味がわからない。

 「なぁ光一はさ? 犯罪者になりたいん? 一人だけならって思ってる? そう思ってるならもう悪人だぞ」

 なっ……。

 「ゲイシーを初めて見たとき光一は果敢にも戦いを挑んだよな。それは悪を許せなかったからだ。今まで大勢にボコられても手を出さなかった光一が戦ったんだ。善意でな」

 そうあの時……子供の母親の涙を見た俺は果敢ではなく無謀にもゲイシーと戦った。返り討ちにされたけどな。

 「けどそこから自分には力があるって思い込んだ。なぁ平和な世の中なんだ。別に戦う必要なんかないんだぞ」

 殲滅兵器がなくなった今、世界は確実に平和に向かっていると思う。

 違う。

 光一「ジャックと戦ったときわかったよ。殲滅兵器があろうとなかろうと平和なんか訪れない。そもそも望まれてるかすらさなかじゃない。現に俺の能力が物語ってるだろ?」

 「気づいていたか……気づくべきではなかったんだけどなぁ~。その能力は人為的に作られた代物なんだよ」

 気づかないわけがないだろうに。

 光一「これが何か知ってるのか?」

 「うーん。光一が知る必要はないね。だってここで消えるからさ!」

 目の前に来た声の主は、俺に左ストレートを打ってきた。咄嗟ことで反応出来なかった俺は見事に命中。

 光一「ぶへぇっ! 何すんだよ!」

 「体を受け渡せって言ってんだよ」

 体を……?

 光一「渡すかよ!」

 体制を立て直して。

 光一「ごふっ!」

 ボディーブローを決められた。

 「反撃をしようと思っても無駄。だってオレは光一の代わりに戦ってきた。ヤンキーに絡まれて光一が気絶した時も」

 痛い。ヤンキー連中が俺を苛めの対象にしなかったのはこいつのおかげってわけか。いきなり大勢に『借りを返しにきたぜ』的なの言われたのを思い出した。なんもしてねぇのにって思ってたのに。

 「ジャックとの戦闘の時も」

 あの時もかよ。

 「俺が代わりに戦ってきた! 誰にも気付かれないさ! いや博士は、俺の存在を知ってたけどな」

 博士が知ってた……?

 「なぁ何でこの体はオレの体じゃないんだ? なんでオレは……」

 知らねぇよ。わからない。こいつが何者なのかも。

 「光一は、知らないんだったな。これが最後だから教えてやるよ」

 知らないことばっかりだ。

 「なんで善行にこだわる? 理由は簡単。捨て子だからだ。これも気づかないふりしてたな~」

 光一「捨て子……」

 「オレは少し光一より年上なんだよ。実の兄貴やな。でもオレはこの世にはいない。もういないんだよ」

 いない?

 光一「なんでいない人間がここに? 俺のなかにいるんだよ? これも能力のなせる技か?」

 「いやそんなご都合のいい話じゃない。オレは光一に臓器を提供したんだよ。臓器移植をすると記憶転移が起こるって知ってるか? サンプル少ない話なんだけどな。それと同時に光一は解離性同一性障害を患った。多重人格もとい二重人格だな。外国語だとDissociative Identity Disorderを略してDIDだ。オレが喋っているとき光一は喋れない。一つの口しかないからだ」

 これも薄々は気づいていた。ただ俺は……。

 「また気づかないふりかよ。そりゃダサいよな。カッコいい男だと思われてるんだから」

 見栄くらい張りたいだろ。

 「なぜふりを続けたのか。認めたく無かったんだろ? 寂しがり屋だってことを」

 図星だった。独りは嫌だ。

 光一「独りぼっちは懲り懲りなんだよ」

 「認めたな? それでいい。でもその思いが俺を今まで繋ぎ止めたんだ。でも……もうおしまい」

 光一「俺の体を乗っ取るのか……?」

  「あーさっきのは嘘! 確かにオレも悲観した時期はあったよ。でも臓器提供決めたのはオレだから。オレは長く生きれない体だったからそれで良かったんだ。光一は心臓さえ移植すれば普通の人間とは変わらないから」

 嘘かよ……。

 光一「なんでお前も俺も生まれながら重症なんだよ」

 「それは光一が突き止めること。てかその方法もわかってるんだろ? こんなところで油売ってる場合じゃない」

 光一「決め手がない……」

 「鎧の男も異形種作れるだろ? 多分だけど。そこからの情報なら決め手が作れる」

 そういうことか。もしかしたら。

 光一「流石だな。兄貴」

 「初対面で兄貴なんて呼ぶもんじゃないぞ」

 光一「それじゃさっそく元の世界に……」

 「ダメだ。今の光一じゃ勝ち目がない」

 光一「だったら! どうしろと」

 「さよならだ」

 えっ?

 光一「どういうことだよ!」

 「オレの全てをやる」

 光一「いらない!」

 消えるってのか?

 「どのみちオレは長くないんでなぁ~」

 光一「どうして! 俺を独りにする気かよ! 能力しか取り柄のない俺を励ましたのは兄貴だ! 兄貴がいたから未来にも希望が持てた! 兄貴がいたから保母にもなれた! 自信もなくて劣等感ばかりの俺なんかに声をかけ続けたのは兄貴だ! 」

 声と涙が溢れた。今しか言えない……から……。

 光一「俺が独りじゃないって思えたのは兄貴がいたからなんだよ! 勝手に消えようとするなよ! 俺の側からいなくなるなんて認めてない! ずっと一緒なんだよ! これまでも……そしてこれからも!」

 嫌だ。俺は声に助けられてきたんだ。運命共同体だって勝手に思ってた。

 

 「光一はもう独りじゃない。咲希もユウトも悠愛も美姫も子供達もいる。おまけのピースもな」 

 

 俺にはもう仲間も友達も……。

 

 「気づいてなかったかもしれないけどオレの口数が減ってたんだぜ。光一が気絶したとき。睡眠中がオレの出番だった。本を読み漁り、博士と能力開発をし筋トレもした。寝起きが悪いのは悪かったな。これからは寝起きがいいぞ」

 

 そんなことまで……。

 

 「置き土産はちゃんとやるよ。この力で終わらせるんだ。光一しか出来ないんだぞ? 使命とも宿命とも言っていいくらいに。大丈夫だ。あと少しで謎は紐解かれる。俺達の出生と共にな」

 

 光一「いなくならないでくれよ! 嫌だって言ってるだろ!」

 

 「往生際が悪いなぁ~? 男だろ? 大人は嫌いかもしれないけど光一も立派な大人だ。なら……

 男を見せろ! 全てを守り通せ! 立ちはだかる敵には床を舐めさせろ! 独りじゃないのも楽じゃないかもしれないけどきっと楽しいから……あぁー言っとかないとな。

 ありがとう。楽しかった。もう存在しちゃいけないオレが少しの人生を弟の側で過ごせてよかった。残せるのっていいよな思い出をさ」

 

 涙が止まってくれない……。

 

 「最後は笑ってさよならしよう」

 

 出来るかよ……。

 

 「あはは……。オレも難しいな。でも兄貴だからな。背中見せてあげないとな。バイバイ」

 

 兄貴は笑った。もう顔がぐちゃぐちゃで見てられねぇって。

 

 「パスワードは、マスターピースだ」

 

 兄貴が消えた。

 

 マスターピース2

 

 気づくと喉元に剣。戻ってきたみたいだ。

 遅い。俺は喉元に迫った切っ先をかわすと同時にガラハッドの腹に蹴りを入れた。

 ガラハッド「なにっ!?」

 鎧の頭のせいで表情がわからない。戦いにくいな。

 でも今の俺はまるで宙に浮いてるが如く軽い。自分の体じゃないみたいだ。

 光一「そうか。兄貴の力が使えるようになったのか……」

 頬を伝う雫はまだ止まってはいなかった。

 構わない。剣を上空に投げ飛ばした。

 パスワードを言う。

 光一「マスターピース(最高傑作)」

 大剣が砕けて中から二対の剣が現れた。色は金と黒。俺の髪の色と兄貴の髪の色だ。

 落ちてきた剣を両手に握る。軽すぎる。

 ガラハッドが迫ってきた。だから遅いって。

 試し斬りといこうか。

 一撃目は、体制を崩すために使った。

 二撃、三撃は、両腕の鎧を破壊した。

 四撃目は、頭の鎧を破壊した。

 五撃目からは連続で突きを繰り出した。

 ラストは、大きく蹴り飛ばした。

 右利きなのに左腕が動いてくれる。これも兄貴のおかげか。

 光一「ガラハッド。あんたに聞きたいことが出来た。とっとと動けなくなって貰うぞ」

 もうボロボロなガラハッドが起き上がる。

 しぶといな。

 ガラハッド「あははははははは! それが汝の本気か! 面白い!」

 俺はもうガラハッドの目の前にいた。片膝ついているガラハッド目掛けて剣を振りかざす。

 ガラハッド「エレメントゥム! アバタール!」

 俺の剣は空気の壁によって防がれた。そして横に出現したお馴染みの異形種が攻撃してくる。

 邪魔だ。一撃で粉砕する。

 ガラハッドには距離を取られた。まぁいい。

 エレメントゥムは、属性のことだな。

 アバタールは、分身。

 どんな手札があろうが全て捻り潰してやる。

 ガラハッド「はっ!」

 風、火、水を纏った斬撃が飛来してきた。避けるまたは剣で相殺する。分身も次々と沸いてくる。

 光一「耐えきれるかわからんけど。試してみるか」

 目の前のアバタールを大きく振りかぶった突きで破壊した。そのまま剣を投擲した。

 今の俺なら音速を越えれる。光速までたどり着いたはずだ。剣が耐えれるのは数メートルだろう。あの剣が丈夫だったら今ごろこの星を何周してるんだろうな。

 ガラハッド「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 命中。貫かせてくれないのは助かるな。こっちは殺すなと言われてる。

 

マスターピース3

 

 ボロボロのガラハッドの喉元に切っ先を突き立てる。

 光一「さぁ吐いてもらうぞ」

 ガラハッド「お見事だ。私を負かしたやつはゲイシーのみだったんだがな。誇ってよい」

 光一「無駄話はいい」

 剣を皮膚に食い込ませる。

 ガラハッド「詳しい話は国王から」

 視線を感じた。顔を上げるとそこには。

 「こんなことになってすまない。説明をするからガラハッドを殺さないでくれるか? 女の子ならここにいるよ」

 なんで……。

 あんたは生粋の善人で。珍しく好きな大人だったのに。なんで!

 光一「何してるんですか……。園長先生」

鳩とオリーブの葉、付け加えるとするなら人間か 第21話 オープンコンバット&エンゲージ

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本作品の内容はフィクションです。
登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。

また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。

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第21話 オープンコンバット&エンゲージ

 

 音速で追いかける。捕らえられない。

 光一「化け物かよ!?」

 このままじゃキャパオーバーする。急いでユウトと悠愛にコールした。二人とも快く引き受けてくれた。

 声「なんであいつは美姫ちゃんをさらうんだ」

 光一「知るか!」

 訳がわからん。いきなりすぎるだろ。

 唐突に鎧の男が立ち止まった。

 光一「観念しろよ。コスプレ野郎!」

 鎧の男はこちらを向いて言った。

 鎧の男「ゲイシー?」

 今なんていった? 

 「はっははははははハッ! 頼み事とは珍しいデスネェ? ガラハッド?」

 どこからともなくゲイシーが現れた。こいつ!

 光一「なんでお前が今さら!」

 ゲイシー「久しぶりデスカネー? アハハッ!」

 ふざけた野郎だ! こうなったら二人まとめて! 

 ガラハッド「足止めだ」

 逃げるつもりかよ!? そう易々といくかよ!

 ゲイシー「誰にいっているのでスカァ~? 一度も私に勝ったことがないクセニ? まぁいいでショウ」

 俺の前に立つゲイシー。まずい。こんな時に現れるなんて……。

 ユウト「お待たせしました!」

 悠愛「ごめん! パパ! 遅れた!」

 二人が駆けつけてきてくれた。頼んでいいのか? 相手は化け物だ。

 光一「少し耐えてくれるか……? 相手は強いなんてもんじゃない規格外だ」

 俺はピエロを見た。

 ゲイシー「アハハハハハハハハ!」

 狂ったように笑ってやがる。

 光一「あいつは人をも食べちまう化け物だ。それでも俺は美姫を追わなければならないんだよ」

 そうだ。あいつと二人を戦わせてはいけない。でも。

 ユウト「ええ!? 美姫ってあの美姫ちゃんですよね!? アイドルの」

 光一「そうだよ。事情は事が済んでからな? 友達として紹介してやるよ」

 そういや二人には言ってなかったな。てか言えるかよ。どこで情報が漏れるかわかんないんだ。

 悠愛「……」

 悠愛はゲイシーの姿を見てから声を失っている。あのおぞましい姿を見ればそれは当たり前の反応だろう。

 光一「悠愛。戦えるか? 帰ったら女の子の友達を一人紹介してやるよ。凄く可愛いんだぞ?」

 悠愛「大丈夫……。あはは……。嬉しいな」

 どうも歯切れが悪いな。でも。

 光一「博士! 聞こえてるな! ここに武器を二本頼む! 大至急だ!」

 俺もやつを追わなければならない。

 コンテナが降ってきた。俺に向かって射出された武器を二本キャッチする。大剣とナイフだ。

 光一「これはユウトに。あんまり振るな。すぐにキャパオーバーするぞ。重いからな」

 大剣をユウトに。

 光一「悠愛はこれだ。ユウトのアシストだ。やばくなったら二人で逃げろよ。俺のしてあげれるのはこれくらいしかない。ごめん。それとありがと」

 二人に礼を言う。無茶なお願いをしたんだ。

 ユウト「帰ったら美姫ちゃんとおしゃべり!」

 こいつもミーハーかよ。

 光一「そうだ。いくら女慣れるしてるお前でも一瞬で惚れるぞ。やらんが」

 ユウト「えっ? やらん……? もしかしてもう! 手が早すぎますよ!」

 ヤベッ! ガチで間違えた!

 光一「言葉の綾だっての!」

 ユウト「咲希ねぇ一途だと思ったら悠愛ちゃんといい美姫ちゃんといい! 見た目通りのチャラ男だったんですね!」

 光一「うるさいわ! ボケぇ! 帰ったら説明するからな! ちゃんと守れよ! 男を見せろ」

 そして俺は後を追おうと。

 ユウト「わかってますよ。先輩がいなくても男を貫き通す。先輩は外国語好きでしたよね。なら……オープンコンバット! (戦闘開始)」

  そうユウトが言った。外国語はカッコいいよな。少し中二っぽいか。

 

オープンコンバット&エンゲージ2

 

 光一「なんて速さだ」

 全力で追い付いたはいいが……。

 光一「どこまでいくんだよ」

 くそ! 目の前には首都最大のドームがある。野球とかするんだっけか。敵はドームに突っ込んでいった。俺も後を続くと鎧の騎士ことガラハッドがドームの中央に立っていた。

 ガラハッド「流石だな」

 その姿をみた俺は驚愕した。美咲を抱えていない!?

 光一「おい? どこにやった? 美咲をどこにやった! 」

 ガラハッド「私に勝ったら教えてやろう」

 光一「上等だ。すぐにけりをつけてゲロって貰う。博士ぇ!」

 空からコンテナが落ちてくる。それを素手で破壊し武器だけ手に取った。もう能力はフル解放だ。

 光一「エンゲージ(戦闘態勢に入る)だ」

 そして俺は敵に刃を向けた。

 

オープンコンバット&エンゲージ3

 

 もう幾度となく剣を交わせた。だが敵は涼しげな顔。

 ガラハッド「汝にとっての敵は、ためらいだ。本当に打ち倒す気で剣を振るっているのか?」

 敵は避けるまたは剣で受け止める。攻撃はしてこない。

 ガラハッド「敵のため火を吹く怒りも、加熱しすぎては自分が火傷するぞ」

 弾き飛ばされる。くそっ! イラつく! 子供が大人に遊ばれてる気分だ。

 ガラハッド「正義は武器に似たものである。武器は金を出しさえすれば、敵にも味方にも買われるであろう。正義も理屈さえつけさえすれば、敵だ」

 正義の意味なんか知らない。でも。

 光一「人さらいが正義を語るなよ!」

 前に出る。俺は敵を倒して美咲を取り戻す。

 ガラハッド「ふふっ」

 今笑いやがったのか?

 光一「何がおかしい!」

 ガラハッド「カなき正義は無能だ。正義なき力は圧制なのだ。力なき正義は反抗を受ける。今の汝のようにな。なぜならは、つねに悪人は絶えないから正義なき力は弾劾される。それゆえ正義と力を結合せねばならない。正義を振りかざしたとしても弱小なのではな」

 確かに力の無いくせに正義を振りかざすバカはそこらたへんのごろつきにもボコボコにされるだろう。例えば苛めだ。大勢が一人を苛める。それは酷い光景だ。許せない。だが傍観者であった者が止めたとしても大勢に負けて苛めの対象にされるだけだ。傍観者であった者は、正義を振りかざしたんだろう。でも力がなかった。

 光一「力がないから諦める? 出来るわけねぇだろうが! 大切な人をさらわれてんだぞ!」

 力がないからと言って正義を振りかざしてはいけない理由などどこにもない。

 ガラハッド「ならなぜ全力ではないのだ? 出させてやらなければいけないのか?」

 光一「戯れ言を!」

 俺が全力じゃない? ふざけるなよ。助けるためにこっちは全力で戦ってる。

 だが幾度となく打ち込んでも敵には当たらない。

 光一「くそっ!」

 吐き捨てる。なんで攻撃してこない。こちらが攻撃しては弾き飛ばされの繰り返しだ。

 ガラハッド「つまらない。世話が焼ける。出させてやろう。本気という物をな。人というのは真剣勝負に立たされたとき何かを掴む。汝のそれはなんだ? それが剣? 棒ではないのだぞ?」

 そういってガラハッドは横に右腕を振った。

 なんだ?

 右側のドームの壁が爆発した。

 はっ? ここはドームの中央だ。あの腕を振る動作が何かの起爆スイッチか何かなのか?

 ガラハッド「何が起こったのかわからないと言った顔だな。汝の連れの女はもうこの世にいないぞ。今の爆発の元に女はいた。意味がわかるな」

 あっ……

 光一「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 こいつはいらない。存在してはいけない。

 光一「ふざけんなよぉ!」

 こいつをこの手で消す。気づくと俺は敵の目の前で大振りで……

 ガラハッド「大火傷だ。焼死しろ」

 喉元には敵の剣。

 これはもう……

 

オープンコンバット&エンゲージ4

 

 歯が立たない。優人はそう思った。

 「炎やら水やら土やら風を操るって魔法使いか何かかよ」

 ゲイシーと名乗るピエロは、踊っている。四代元素を身に纏って。

 「アハハハハハハハハ!」

 狂気の笑みがうるさい。優人はもう虫の息だ。一振りでさえ能力の許容範囲を越えそうになる。もう一振りも出来ない大剣は荷物でしかなかった。

 「このままじゃ悠愛を守れない」

 彼の背にはゲイシーを見てから怯えたように震えている女性がいた。見た目は子供だが成人である。

 「アハッ! アハーハ? もうイイカナ? イイヨネー? 」

 ゲイシーが意味不明な事を言っているが彼の耳には届かない。それだけ集中していた。

 「約束したんだよ。先輩とな! 悠愛を守れってね!」

 先輩と男の約束をした。カッコいい男を目指す優人には先輩である光一との約束は絶対だった。それほどに尊敬していた。カッコいい男を目指す動機はちっぽけだったかもしれない。それでも優人はそれに人生を捧げるつもりであった。決定付けたのは光一との出会いだが。

 「逃げるぞ! 悠愛!」

 悠愛の手を掴む。逃げることは恥ではない。光一はヤバくなったら二人で逃げろといった。だが悠愛は動かない。

 「アハー!」

 ピエロは狂ったように笑っている。

 「だめだよ」

 悠愛が口を開く。

 「ユウトは能力を解除して。私が戦う」

 そう言ってダガーを構える。

 「女の子に戦わせるなんて……それに敵の前で能力解除なんかしたら……」

 戸惑いを隠せないのは優人。

 「使わなければキャパは回復するの! カッコいい男はつべこべ言わんじゃないの?」

 痛いところを突く。

 「わかった」

 能力を解除した。その印に大剣が地面に大袈裟な音を立てて落ちる。

 

 この時を待っていた。

 

 「えっ……なん……で……」

 私は優人の腹にダガーを突き刺した。崩れ落ちる優人。

 「ごめんね。これも私とパパが一緒になるためなの。そのためにユウトが倒れなくちゃいけない。それだけだよ」

 道化師に目配せするとおどけたように手を振った。風が吹き荒れた。気づくとリストバンドが取れている。

 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 やめて。

 「悠愛……その手首の傷……」

 やめて。

 「見ないでぇ……」

 

 『パパなら見てもいいよ? あっやっぱりダメ』

 

 もしかしたらパパにも見られたかもしれない。

 誰にも見られたくない傷。それは私がわからない私が痛みを持って存在してることを確かめてた時期の証。心の痛みを誤魔化すために痛みを体にわからせていた。快楽主義はあの道化師と変わらない。

 「痛いよ……」

 こんな私は嫌だ。本当に好きになるやつなんかいない。だからこの体なんかどうでもよかった。男なんか服を脱いでしまえばみんな同じ。

 「そう思ってたのに……」

 涙がこぼれる。悲しみの。

 「パパを手に入れるためにはなんだってする」

 そう非道も邪道もましては道徳など重んじてはいられない。

 「そんなの間違ってる……好きになってもらう努力をしなくちゃ……」

 「わかってるよ……だけど……こんな汚れた私なんかパパは好きにならない! 現にパパは同僚の次はアイドルに夢中なんだよ!」

 なんで好きになっちゃったんだろ……。資格なんてないのに……。

 「パパが好き。誰にも渡さない」

 そう誰にも。

 「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」

 道化師が盛大に笑っている。 

 一番下にいたと思っていたのにまだ下があったなんてね。

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